BMWが2000年から2008年にかけて生産したS54エンジンは、7900rpmのレッドラインを誇り、6気筒エンジンとして最高回転数の記録を保持するエンジンとなった。3.2リッターの排気量で343馬力を発生するこのエンジンは、E46 M3、Z3 Mクーペ&ロードスター、Z4、Z4 Mクーペ&ロードスターに搭載された。その後のバージョンであるS54B32HPは360馬力を発生し、E46 M3 CSLに搭載された。

このエンジンの特徴は、1リッターあたり107馬力の出力を実現したことだ。BMWが目指した100馬力/リッターの目標を上回り、高性能エンジンの開発に成功したことを意味する。エンジンは鋳鉄ブロック、アルミニウムヘッド、個別スロットルボディを備え、2000年当時としては革新的な技術が採用されていた。

しかし、S54エンジンの高性能は、定期的なメンテナンスを必要としていた。冷却システムのプラスチック製エンドタンク付きラジエーターや寿命の短いウォーターポンプなど、弱点も存在した。また、VANOS可変バルブタイミングシステムは80,000kmでメンテナンスが必要だった。このエンジンを所有する者は、定期的なメンテナンスと点検を怠ってはならなかった。