Weill Cornell Medicineの研究者らは、結核菌が空気中で乾燥するとDNA損傷を受け、修復機構を活性化することを発見した。この過程は、細菌の生存を可能にするだけでなく、リファンピシン系抗生物質への耐性を高める変異の発生も引き起こした。研究は2026年にNature Microbiology誌に掲載された。
乾燥中に生じる酸化ストレスは細菌のDNAを損傷し、Mfdと呼ばれるDNA修復遺伝子を誘発する。Mfdが活性化すると、細菌の乾燥耐性が高まると同時に、リファンピシン耐性に関連する変異の頻度が上昇する。実験室での実験では、Mfd遺伝子の活性を低下させると、リファンピシン耐性を示す結核菌の生存率が有意に低下した。
研究者らは、空気感染を模した実験室条件を構築し、その後、世界中から収集した5万件以上の結核菌ゲノムを解析した。解析の結果、Mfd遺伝子に変異を持つ株は、最も一般的なリファンピシン耐性変異を保有する可能性が低いことが示された。この発見は、感染伝播段階を標的とする新たな治療法が既存の抗生物質治療を補完し、耐性の拡大を遅らせられる可能性を示唆している。
