東フィンランド大学とオウル大学の研究者は、サイマーレイク固有のアザラシ(Pusa saimensis)に対する初の染色体レベルのリファレンスゲノムを公開したと発表した。ゲノムは2026年にbioRxivのプレプリントとして掲載された。
ゲノムは長さ2.35ギガ塩基対、17本の染色体、約21,800遺伝子を含み、人間ゲノムよりやや多い。研究は2023年に捕獲されたオスのTuukkaというアザラシの皮膚サンプルから樹立した細胞株を用い、高品質DNAで実施された。比較解析により、淡水環境への適応に関わるイオン輸送や腎機能に関連する遺伝子、嗅覚受容体に差異が認められた。
このリファレンスゲノムは遺伝的多様性、近親交配、集団史のモニタリング手段を提供し、保護活動に直接貢献するが、遺伝的モニタリング手法の改良や幼獣死亡原因の完全な解明などは依然として課題である。ゲノムは2026年8月に開始されたLIFEプロジェクトの一環として、2032年までに個体数を700頭に増やすことを目標とするプログラムで使用される。
