アベル・フェラーラは1990年代初頭、『キング・オブ・ニューヨーク』での芸術的成功を受け、ワーナー・ブラザースから『インベイジョン・オブ・ザ・ボディ・スナッチャー』のリメイク版である1993年公開『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の監督を依頼された。フェラーラにとって唯一のハリウッド作品となった同作は、監督の道徳的懸念と確かな演出力が融合し、批評家にも観客にも支持されたものの、配給の不備により商業的失敗を喫した。
冒頭から広範な逃走の余地を与えず、軍事基地という閉鎖空間が感染した組織からの脱出をいっそう困難にしている。フェラーラ自身、軍事環境が他のバージョンとの差別化要因であり緊張感を高めると語っているが、設定への抗議の声さえ『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』をフェラーラの代表作の一つと位置づける存在となっている。
ワーナー・ブラザースの消極的な姿勢とフェラーラとの対立が、劇場公開にもかかわらず十分な注目を集められない原因となった。Vinegar Syndromeからリリースされた4K UHD版とThe Criterion Channelでの配信により、フェラーラが『ナイン・ライヴズ・オブ・ア・ウェット・プッシー』や『Ms.45』といった小規模作品で培ってきた手腕が、大作商業映画の期待に応える形で発揮されていたことが改めて確認できる。
