SLAC国立加速器研究所の研究者は、電子が分子内でアト秒(10⁻¹⁸秒)スケールでの動きを観測し、化学反応の初期段階を明らかにした。この実験は、電子が化学結合の切断と形成に果たす役割を直接示した。
実験は、2つの精密にタイミングされたX線パルスを用いて電子の動きをアト秒スケールで記録した。最初のパルスは分子から電子を一つ除去し、残りの電子を高エネルギーの量子状態に遷移させた。2つ目のパルスは一定の遅延で電子の動きを追跡した。この手法により、反応開始後最初の10フェムト秒(10⁻¹⁴秒)で10個の時間点が得られた。
観測結果は、電子が最初のフェムト秒内に分子の内殻から低エネルギー電子を放出し、これが周囲の分子に損傷を与える可能性があることを示した。また、電子ホールが分子内を移動し、その移動が化学結合の切断と形成に影響を与えることも明らかにした。
