東京大学の研究者らは、バナジウム結晶内での水素の量子トンネリング行動を制御する構造的変化を特定した。水素はバナジウム結晶内で2つの異なる方法で動くことができる。熱エネルギーによって飛び移るか、量子トンネリングによって障壁を越えるかだ。研究者らは、この行動が結晶の対称性と関連していることを発見した。高い対称性は水素のトンネリングを可能にし、対称性が破れるとこの行動は抑制される。

バナジウム結晶内での水素の動きは、結晶の対称性と直接関連している。高い対称性の状態では、水素原子はトンネリングを行い、非局在的な量子状態を形成できる。しかし、水素の濃度が増加すると結晶構造が破壊され、対称性が失われる。この状態では、水素は熱エネルギーによって飛び移るように動く。

この発見は、水素貯蔵と輸送技術において重要な一歩だ。結晶の対称性を制御することで、水素の動きを調整することが可能になる。研究者らは、この発見が水素ベースの技術においてより効率的な材料の開発につながる可能性があると予測している。