ポール・シュレイダーは『ザ・カード・カウンター』『マスター・ガーデナー』で用いた「部屋にいる男」のフォーミュラを『The Basics of Philosophy』で再び試す。今回、中心にあるのは小児性愛犯罪の道徳的代償と救済の可能性だ。ジャック・ヒューストン演じるジョン・ヨリセン教授は、小さな大学で哲学を教える傍ら、過去に庭師の14歳の息子ミゲル(ダニエル・ゾヴァット)に対して犯したわいせつ行為、そして父親(ビル・プルマン)が金と沈黙でその罪を覆い隠した事実と向き合うことを強いられる。
映画はスピノザの合理主義哲学を背景に、罪悪感、自己欺瞞、変化の可能性について知的な問いを構築する。