米エネルギー省のブルックヘブン国立研究所に、機能ナノ材料センター(CFN)向けに特別に設計された走査透過電子顕微鏡が設置された。この新装置は、エネルギー分解能で現行の顕微鏡の約200倍の精度を実現している。この進歩は、バッテリー、半導体、量子材料の研究に新たな視点を提供することを目指している。

この顕微鏡の独自のエネルギーフィルタリングシステムは、20keVのような低電圧で動作し、繊細な材料を損傷させることなく原子レベルでの観察を可能にしている。また、2つの二次電子検出器がサンプルの上下の表面を同時に原子レベルで記録でき、改良された光学システムにより電子エネルギー損失分光法(EELS)の測定範囲が5倍に拡大されている。これにより研究者は、材料の構造、化学組成、電子的挙動を同時に調べることができる。

この装置は、従来の電子顕微鏡とシンクロトロンX線施設の間のギャップを埋めるが、依然として複雑なサンプル準備とデータ解釈のプロセスが必要である。Pythonベースの制御ソフトウェアは遠隔操作と機械学習をサポートしており、近い将来に2台目の類似装置の設置が計画されている。