分子科学研究所の研究チームは、走査電子顕微鏡(SEM)の電子ビームと新しい二次元画像解析装置「CoDELMA」を組み合わせ、ナノメートルスケールの領域で三次元原子配列を直接観察できる原子ホログラフィー顕微鏡を開発した。この顕微鏡は、SEMからの電子ビームを試料に向け、CoDELMAで広い角度範囲(±50°)に広がる電子をエネルギー解析器の入口に集中させる。その後、特定のエネルギーの電子のみを選択し、投影レンズを用いて角度分布を同時に測定する。得られた角度分布ホログラムは、コンピュータベースのホログラフィック再構成により、関心のある原子周辺の三次元原子配列を決定することができる。

この顕微鏡は、ナノメートルスケールの領域で三次元原子配列を直接観察できる能力により、ナノメートルスケールのデバイスや新機能材料の開発において重要なツールとなる可能性がある。これまで、このような情報を得るためには試料から薄切りを作成し、透過電子顕微鏡(TEM)を使用する必要があったが、この方法で得られた原子像は二次元投影のみであった。