Aalto大学の研究チームは、超伝導回路内で動作し、キュービットを作動媒体として用いる、世界で最初の循環型量子熱機関を構築した。この装置はトランモンキュービットと量子冷却器を用いて、加熱・冷却・エネルギー変換の段階を含むオットーサイクルを実現した。古典的熱機関と同様に動作するが、このシステムは微視的スケールで量子力学の法則に従って動作する。

研究チームは、冷却器を熱源と冷源の両方として使用することで、装置の複雑さを削減した。キュービットのエネルギー準位を微細なマイクロ波信号で制御し、熱から仕事への変換の正確性を測定した。実験結果は理論シミュレーションと一致し、この装置が本物の循環型熱機関であることを実証した。

この技術の重要性は、生成される仕事の量ではなく、量子プロセッサ内部での熱制御の可能性にある。現在の量子コンピュータは、冷却された回路と室温の電子機器の間に数百万本のマイクロ波ケーブルを必要としている。この機関の将来の自動化バージョンは、これらのケーブルの必要性を減らし、システムのノイズとコストを削減できる可能性がある。