子どもは脳を侵す極めて稀なアメーバに感染していた。この機会感染性病原体は、1986年にサンディエゴ動物園のサルの脳から初めて同定された。その後、世界で約200例しか報告されておらず、致死率は約90%に上る。
初期症状は不明瞭で、稀なため診断がつきにくく、誤診されることも多い。限られた医療文献は検査やスクリーニングの手がかりを提供しているが、今回の子どもにおいては感染の様相が異なり、医師たちを誤った方向へ導いた。
医療チームが何が起きたかを判断するのに30日以上かかった。その時点で手遅れだった。子どもは不可逆的な脳損傷を受けていた。初期の治療介入は全く効果がなく、両親は息子の苦しみを止めるため人工呼吸器を抜くことを決断した。その後の剖検で、子どもは重度で不可逆的な脳卒中を起こし、脳血管が壊死し、脳組織がアメーバで満たされていたことが明らかになった。
